お呼ばれ

竣工2ヶ月目に東大阪の家にお呼ばれで行ってきました。

うちの子は一丁前に吹き抜けの天井を見上げています。
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断熱をしっかりとして、空調も循環させているので
ガスストーブひとつで建物全体があたたかい。
むしろちょっと暖かすぎるくらい。
冬でも薄着だそうです。
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キッチンで子供たちがピザをつくってくれました。
ウチのチビちゃんはせっせとこだわりがあるようです。
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初のお料理。ハムとシーチキンがたっぷりです。
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双子ちゃんからいただいた手紙。
それぞれ別々に書いたものを頂きました。
オープンハウスのときに子供の名前を一緒に考えてくれました。
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ありがとう!

随分長居をしてしまいました。

Nさんありがとう!
また2月の集まりと飲み会もよろしくお願いします!

お引き渡し

ようやく東大阪の物件が昨日でお引き渡し。

どの物件も現場が片付き、職人さんが減って行くのはなんとも寂しいもので。。。

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自称施主アドバイザーとして来客の方に語っていただくお施主さん

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オープンハウス後のひととき

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お施主さんと現場監督がデッキで光と影について語る。

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現場監督お手製の手摺の端材でつくってくれた多肉鉢。


オープンハウスでは天候の悪い中たくさんの方に来ていただき、

お施主さんには説明を頂いたり、お子さんの相手をしていただいたり、

ジュースを差し入れて下さったり、駅まで送りますよと来場の方に声をかけていただいたり

なんとも心遣いが嬉しい。


どの現場も良い施工業者と職人さんとお施主さんで

良い空気で進んでいくことが多いのですが、

特に今回はお友達の方やお知り合いの方などたくさんの方が関わった現場だったので

多くの思いが一体になってつくっていくことができたように思います。

本当にありがとうございました。

協力頂いたキッチン屋さん(KOBE STYLEさん)のブログ
http://www.kobe-style.co.jp/blog/archives/2012_11/article_post-140.php







最終日

最終日、現場は追い込みです。なんとか明日はオープンハウスが出来そうです。家具(仮置き)、植栽が入りグッと雰囲気が出てきました。漆喰は明日までに乾きそうにないけれど...

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肉食建築

デッキのルーバーがつきました。

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かねてから黒皮スチールのルーバーを求められたクライアント。

現場では壁のことを皆がワイルド仕上げとか、

仕上がっているのに「仕上げは何になるんですか?」とか

下地同材をそのまま仕上げにしているので、

クライアントはイメージ以上と大喜びなのですが、

どうもそのような印象。


板張りやスチールの黒皮などかなり縄文系の濃い仕上げで

あるいは草食系の建築が多い中、肉食系というべきなのか。

現場では東大阪スタイルとも呼んだりしながら

今日はさらに濃い400kgのスチールのルーバーが取り付きました。


職人たちは「ちょっと濃いなー」「板張りの存在が弱まったなー」「かっこええなー」

など、それぞれの職人さんが自分の仕事箇所との印象の強弱の対比を比較するのでした。

クライアントは「イメージ以上の存在感、できればこのまま全部錆びてほしい」

とまだまだ素材の荒さへの思いは強いようです。


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東大阪の家 オープンハウス

お施主様のご厚意でオープンハウスを
していただけることになりました。

分譲された約30坪の土地に建つ都市部の小さな住宅です。
都市住宅にあって閉じすぎず開きすぎず
都市とのつながりを保ちながら豊かな内部空間を確保しています。

浸水想定区域に指定されているため基礎高を上げ、
長期的な洪水に備えつつ、狭小な空間に基礎の高さを逆に生かし
レベルの変化を持たせて感覚的な広がりを感じられるようにしています。

小さな余剰スペースに植えられたサルスベリの木が
内と外、デッキとダイニング、デッキと子供室をつなぎ
季節を感じさせてくれる住宅です。


東大阪の家現場ブログ


内覧ご希望の方は ホームページ からご連絡下さい。
折り返しメールにて地図等案内をお送り致します。

※なお記載頂いたご連絡先等は個人邸での内覧会のため、お越し頂く方を把握するためのものです。
営業や勧誘などに使用することはありません。


オープンハウスについて

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左官壁

外壁の仕上げです。

イメージと塗りサンプルをつくっていただきながら

職人さんが意図を読み取り形にしていきます。

クライアントや他の職人、監督、構造の下山氏と共に

大勢が外壁のサンプルづくりを見守ります。

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植栽選び

今回はちょっとした中庭(坪庭)というか

隙間に植える木をクライアントと造園のウミヒラさんと

古川庭樹園に。

現場をみてから、木村家本舗の準備中のところを見させてもらってから山へ。

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決めている樹種はあるもののいろいろとみればみるほど目移りをし。。。
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半日かけて山を巡るので多すぎて本当に悩みます。
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すべて落葉樹になったので来年の5月半ばくらいが新芽が出て美しいはず。
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ほおの葉をもらった双子ちゃんたち。


フードカット

レンジフード。
キッチン屋さんのショールームにあったレンジフードに
クライアントが一目惚れし
タイミングよく入れ替えの時期との事と
クライアントとの思いと、社長のものづくりへの心意気が合い、
展示品をとてもリーズナブルな価格で特別に譲っていただきました。
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クライアントの一瞬の決断力や匂いを嗅ぎ分ける力もあり
あちこちうまく縁がつながっていきます。

フードは天井高に対し大きい為取り付けができない。
業者も加工は不可とのことで
クライアントのご友人に切断してもらうことになりました。

今回は東大阪の現場とあって、いろいろと工場の方などに協力をいただいています。
キッチン屋さんも見守りながらレンジフード入刀。
ステンレスに黒の電解着色をしたもので一品ものですから
失敗はできません。
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クライアントと鉄工場のご友人と、現場大工。
偶然か必然か集まった旧友。
写真は養生をしています。
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無事カット出来、10月中旬取付けです。
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作業してくれた方々、
神戸スタイルキッチンさん
どうもありがとうございました。


黒皮スチールの階段

黒皮スチールの階段が取り付きました。
段板は端材の仮設。
ご要望でスチールの質感を生かしたいという事で
塗りつぶさずクリア塗装。

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内壁は砂漆喰、外はモルタルのサンプル。
理解のある左官屋さんがコストを抑えながらいろいろと提案してくれます。

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ものつくりではあまり細かい指示や要望をせず、
おおまかなイメージや要望を伝えて、職人や建築家に"預ける"ということも重要で、
信頼関係、コミュニケーション、様々な人の経験や尽力があって
はじめて良いものをつくることにつながります。
細かな指示をしすぎない、大きな枠組を伝える、そして"預ける"。
とは言っても形のないものからつくりあげていくこと、
毎度のことながらこれがなかなかむずかしい。

まーそんなこんなで
いい感じに仕上がりそうです。

くぎ

耐力壁の構造合板が貼られました。
指定された釘を規定のピッチ以下でしっかりと
留める事によって想定の強度が確保されます。
といってもこれも職人によって随分差があり、
釘打ち機を使用して打ちますが、
町中の現場をみていると
ラインがガタガタだったりピッチも適当だったり、
間柱(柱と柱の間の釘を留める為の細い柱)に留っていないものもあるわけです。
なんだかそうなると家庭科の裁縫のようなもので、
見ていても気持ちが良くないものですし、
当然、バランスがよく等間隔である方が、力も均等にかかり
構造上良くなります。

現場はしっかりとラインが揃い、釘のめり込みもほとんどありません。
エアの釘打ち機で打つため、圧力の調整がうまくできないものだと
ボードにめり込んでしまい、釘がボードを押さる力が極端に落ちます。

そのためエアを調整して、釘がある程度刺さったらあとは手打ちで
打ち込んでいきます。手間も時間かかりますが、そうすると
構造上の耐力もしっかり確保できることになります。

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ちなみに「釘を刺す」というのは鎌倉時代前の木造建築は釘を使わず、材木に穴を開け、
別の材木をはめ込んだり仕口を加工して組み合わせて組み立てられていていました。
鎌倉時代〜江戸時代より、さらに念の為に釘も打つようになったことから、
転じて、念を押すという意味でも使われるようになったそうです。

そういえば検査員が、ここの「金物は?釘は?」と聞かれ
「追掛大栓ですよ。仕口の継ぎ手で一体になっているので」
といっても、なかなかパッと理解してもらえない。

金物をつけていれば丈夫。
最近の建て売りや分譲はなんでもかんでも金物でぐちゃっとくっつける訳です。
木の力や繊維をつぶして穴をあけて...
金物が悪い訳ではありませんが
このへんもまた写真UPします。

屋根と天井の温度測定

とにかく昨日は暑い。
東大阪では35℃から36℃になり
外は暑いを越えて危険。

猛暑で屋根の状態がどうなっているのか温度を測定してみる事に。
8/17 快晴 14:00〜14:30  気象データでは気温35℃〜36℃。
実際は照り返しや風の状態からもう少し暑いような気もします。

タイミング的にはこれとない測定日和...

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まだ日本では屋根の通気層をとった住宅はそれほど多くないですが、
当事務所では特に天井と屋根が一体になった物件などには採用しています。

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断熱・遮熱は
遮熱ガルバリウムで少し遮熱、(今回はガルバがまだない状態)
伝熱した熱は通気層に伝わります。
通気層では勾配になっているので
温められた空気は常に上部へと抜けます。
その下のアルミ箔では赤外線をシャットアウトしています。
それ以外の熱は厚い断熱材でカットします。

温度計は放射温度計を使います。
レーザーで瞬時に計測できるもの。

その温度を測ってみると
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まとめると
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まだ遮熱ガルバがないためルーフィング温度と
通気層から出てくる温度が82〜83℃と同じくらいです。
手を突っ込むとヤケドしそうな熱さ。
しかし天井面では39.2〜39.7℃と熱はほとんど伝わっていません。
(無垢の柱が38.5℃、日陰の合板の壁が39.6℃)
16時、17時ころには断熱材からもう少し熱が伝わるかもしれませんが
真夏のこの時間でこの数値なら。

通気層をしっかりとる事。(壁の通気程度では効果があまりありません)
しっかり断熱材を隙間無く、そしてアルミ箔テープを
キチンと大工さんが施工をしてくれているのでバッチリです。
施工レベルで随分変わるのでしっかりとやってくれる
工務店、職人だと安心です。

ついでに田んぼや公園など測ってみました。
アスファルトは50℃〜60℃強。
部分的には70℃近いところもありました。

でも田んぼ付近を通りかかると涼しい風が。
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日なたの
泥土は41℃
水面は31℃
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水面はやはり温度が低い。
計測器では測れない、昔ながらの気化熱や打ち水の涼しさを感じます。

しばらくこの夏はあちこち計測してそうです。

上棟式

いよいよ上棟式。

地鎮祭、地盤改良、基礎工事、プレカット工事(材料をあらかじめ工場で機械にてカットする)が終わり、軸組です。

基礎工事が終えてすぐに柱を立てるわけにはいきません。
しっかり養生期間をとってコンクリートの強度が出るまで待つ期間があります。
一見現場が進んでいないように見えるので
中にはご近所さんが
「現場が進んでないよ。工務店潰れてない?」とか言われる事がありますが、
その間サッシやプレカット、電気、設備などの打合せを進めていきます。

さて棟上げ日となると早いもので、プレカットされた材料が1,2日で
職人たちが段取りよく組んで、立ち上げていきます。
本来は大工が材を刻み、木の性質を生かしながら
全て手加工のみの軸組としたいところですが、
工期やご予算の関係からプレカットにならざるを得ないことが多くなりました。
というかほとんどかもしれません。
今回はプレカット一部手加工です。

さて棟木が上がると上棟となります。切妻だと屋根の山にあたる材です。

あとは屋根下地等を貼って上棟式を行います。
クライアントの休日が上棟日と合わなければ後日、日取りを組みます。

クライアントが用意するのは、洗い米1合程度、盛塩、お神酒、お祝儀、
お食事、飲み物(アルコール、ノンアルコール、お茶)、割り箸、お手拭き、
紙皿、紙コップ、夏場であればウチワ、タオル、氷
冬場であればカイロ、膝掛けなど。
地域によってはいろいろと他にもあります。

現在は上棟式で神主さんを呼ぶ事も少なくなり、棟梁などに仕切っていただくことがほとんどです。

まず、簡単な祭壇にむかって2礼2拍手1礼。
そして洗い米や盛り塩、お酒などを建物四隅に撒き、
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クライアントの挨拶、設計者、施工者とあいさつを述べて食事会です。
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食事は簡単につまめる肴の場合であったり、
仕出しやお弁当など様々です。
冬場であれば汁もの系の炊き出しなどをされる方もいます。

昔は手加工だったため、地鎮祭から上棟までかなりの日数がかかり、
職人への労いと安全祈願の場でしたが、地鎮祭からそれほど間もないので
これからよろしくお願いしますというコミュニケーションの場の
意味合いの方が強いかもしれません。

クライアント、職人、設計の三者がゆっくりと顔を合わせる事が出来る貴重な時間です。

SUS

クライアントといつもお世話になっているKOBE STYLE キッチンさんへ。

ステンレスについてみんなで、あーだこーだと

持論と思いを展開しながら

やっぱり5Rの角のシンクはきれいですねーとか

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IHは... 食洗機は...水栓はシンプルな...と

わいわいとコストのこともあるので、まさに冷静と情熱の狭間で葛藤し続けます。

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さてどんなキッチンになるか...

翌日は、現地で構造の下山氏や監督らと試掘と地盤改良の検討。

現地でしっかりチェックをして適切で安全な構造にしていきます。

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この"適切"というのが重要で、

構造家やハウスメーカーによってはコストや規模に対して過剰な設計をしたり

あるいは基準法さえクリアしておけばよいといった理念もない構造でないことがあります。

適切な構造、その場所とクライアントにふさわしい本質的な建築でありたい。

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ネフの積み木、「ネフスピール」。
一つ一つが精巧に作られていて、置いているだけでも絵になります。


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カットが独特なので、いろんな積み方が楽しめ、
大人でもいい頭の体操にもなります。


事務所のキッズコーナーでは、
積んで遊んだり、並べて遊んだり。

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作っているのは「チューリップ」。
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一人一人の、形や色から沸き立つ想像力で、さらに遊び方は無限大。


1958年に生まれたものが今も愛され続けていることに納得します。


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10/15

土曜日は東大阪の家のクライアントと打ち合わせ。

ご相談をいただいてからかれこれ2年半。

なんとか土地もみつかり計画にさしかかる。

ご夫婦ともに2年半前に知り合ったとは思えないほど

もっと昔からの長いつきあいのようなフィーリング。



午後は場所を移してご一緒に木村家本舗へ。

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お世話になっている工務店の社長さんの家。

なんとクライアントの先輩がここの大工とのことで

不思議な偶然か必然の縁があり...

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庭や、建具、キッチン、壁の仕上げ、家具などの話をしたり

触れながら談笑。

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生ビールや珈琲もあり 本当は庭を見ながらゆっくりビールと

いきたいところだが、この後も仕事...

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吉村順三の軽井沢の山荘が好きなクライアントは

庭の緑にうっとり。

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そういえば、ウチにご相談に来られる方は

なぜか吉村順三や石井修先生の建築が好きな方が多い。


1時間ほどゆっくりしながら

古書も販売していたので、吉阪隆正の「住居学」と

芦原義信の「隠れた秩序」を買う。

場所を移し、作業場での写真展や、「まちのえんがわ」を見学。

無垢の厚板に寝転びながら両腕、両足をスリスリするお子さん。

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柱は先輩の大工さんがカンナ掛けしたとのことで

みんなが手をスリスリしていると

柱にスリスリほおずり☆


よく建築家が壁や柱を触るのはあるが

ほおずりと素足で背面平泳ぎするお子さんを目にしたからには、

クライアントと無垢材の予算確保は必ずせねばとお互い誓う。


柱はペーパーして繊維を壊した材とは違い、

吸い付くような手触り感。

無垢や自然素材という言葉が

営利的に安易に使われるようになって

言葉に安っぽさがついてしまったが

やはり適材適所に使われている無垢材はいい。



ISHIKAWA